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ブログ/2016-03-25

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「新しい発見をすること」が科学者の目的ではない?

私は,「新しく発見することこそ科学者の目的」と思ってきた.

だが,「・・・,発見すること自体が科学者の目的であってはならない.科学者の仕事は、自分がたずさわっている科学の分野の深く詳細な研究をおこなうことである。新しい発見は、そうした研究の副産物としてのみ生じるものである。」というミグダル*のこの一文(ミグダル:「理系のための独創的発想法」,pp21,東京図書,1992)を読んで,最初は「?」という違和感を持った.

これまで,ずっと,新しく発見し論文を書くことこそ,研究者の目的と思ってきた私は直ちには納得・同意できなかった.

発見することが科学者の目的ではない?
新しい発見は研究の副産物?

でも,今はこの言葉に納得している.

だって,自分がたずさわっている科学の分野の深く詳細な研究があって,初めて「何が問題か」を理解することができ,それを越える「新しい発見」を手にすることができる.そのことから言えば,確かに「新しい発見」は副産物とも言える.けれど,その「副産物」は,いわば「深く詳細な研究」の「結果」でもあるのだから.

これに関連して,思い出したことがある.
10年前にお亡くなりになった岩田進午さんの研究ノートには,1つの論文を書くのにそのバックグラウンドとなる膨大な先人の著書・論文を,それこそ紙背に徹するまで読み込まれた軌跡が記されていたことである.(K)

 *ミグダルは旧ソ連の科学者。

画像の説明
    1つの論文のために書かれた岩田さんのノート



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